仙骨(骨盤)ってなあに?
仙骨
仙骨とは建物に例えるなら、大黒柱(背骨)をしっかり支えている土台の骨です。
この土台が正しい位置にないと体全体のバランスが狂い、さまざまな不調の原因になりかねません。
ですから当院では、まず土台である仙骨を正しい位置に戻すことが大切であると考えています。
また仙骨は、子宮・卵巣を守っている骨ですから、女性にとって命の骨とも呼ばれています。女性の方には、特に骨盤(仙骨)矯正をおすすめします。
仙骨とは?
仙骨とは?
仙骨とは仙人の骨と書き、生命維持向上に関わる重要な骨です。仙人の仙は不思議な力を持つという意味で、古来より仙骨は人体の中で格別な存在として認識されてきました。
仙骨は自分の手のひら程度の大きさで、体の中心(骨盤の中心)に位置し、背骨=大黒柱の土台となって体を支えています。仙骨と後頭骨は24個の脊椎でつながっており、これらは一分間に16~17回ほどの呼吸運動によって微妙に動き、脳から脊髄まで脳・脊髄を守り、栄養を与えている液を運搬する重要なポンプの役割を果たしています。
仙骨(骨盤と)と子宮・卵巣との関係
仙骨は膀胱・直腸をはじめ、男性では前立腺、女性では子宮・卵巣など、重要な臓器を内包しています。特に子宮は、子宮仙骨靭帯によってしっかりと仙骨に支えられています。
また妊娠・出産時には、仙骨に付随する靭帯がホルモンの作用で伸び、スムーズに赤ちゃんが生まれるよう調整されます。このように、女性の大切な機能に深く関与することから、仙骨は女性にとって「命の骨」と呼ばれています。
仙骨(骨盤)にトラブルがあると
仙骨と腸骨の接合部にある仙腸関節にトラブル(弛緩・緊張等)があると、骨格・筋肉・神経・内臓・体液(血液・リンパ液)にストレスがかかり、何らかのトラブルが発生する原因になります。なぜならこの骨が正しい位置にないと、仙骨は背骨の土台であるため、背骨の中を通っている神経にもストレスを生じるからです。
一仙腸関節のズレからくるトラブルの例一
・顔のゆがみ
・腰痛
・肩こり
・便秘
・冷え
・むくみ
・生理痛・生理不順
神聖なる仙骨 SACRUM
語源
仙骨を意味する英語 sacrum セイクラムは、ラテン語 os sacrum オス サクルム。文字どおりには「神聖な骨」。英語のsacredセイクリッド「神聖な、聖なる」や、sacrifice サクリファイス「犠牲」、Sanctifyサンクティファイ「神聖なものとする、聖別する」、sanctuary サンクチュアリ「聖所、鳥獣保漁区」はすべて関連語。ラテン語のossacrum 自体は、ギリシャ語 ヒエロン オステオン「神聖な骨」の直訳で、紀元前400年頃のヒポクラテスの時代になされたという。しかし、なぜ仙骨が「聖なる」のかは、諸説入り乱れている。
○仙骨は神聖な生殖器 genitalia を保護するもの。
○ギリシャ語のヒエロス(中性形がヒエロン)には、「神聖な」という意味だけでなく、「強い」、「力強い」という意味がある。
ギリシャ語からラテン語に訳す際に誤訳した。
○古代エジプトにおいて、仙骨は「オシリス(豊穣の神、冥界の支配者)の背骨」と呼ばれ、それゆえ、仙骨はエジプト人によって人体中最も神聖な部分とみなされた。その考えをギリシャ人はエジプト人から借用したという説。
○仙骨は、他の椎骨より大きく丈夫で、死後も腐敗せずに残る。それで仙骨は、ヘブライ語でルーズ「アーモンド」と呼ばれ、復活の際には仙骨をいわば「核」として肉体が再構成されるというユダヤ人の伝説に其づく説。
結局のところ、なぜ神聖かについての説明はすべて推測にすぎない。とはいえ、古代エジプトから、ギリシャ・ローマ、遠くはマヤ文明においでも仙骨が神聖な骨とみなされたのは興味深い。
日本では戦前まで薦骨(せんこつ)、つまり「神に薦(すす〉める」骨と呼んでいた。現在の「仙骨」は、同じ読みで画数の少ない漠字「仙」で代用したもの。
機能
骨盤を構成する仙骨は、ホルモンの要といわれる。仙骨は一つの骨だが、五つの部分に分けられる。五つの部分にはそれぞれ役割があるそうです。仙骨一番は座骨神経をコントロールし、骨盤内の血管の働きに関係している。
仙骨二番は生殖器の血量をつかさどり、むくみの調整も行う。
仙骨三番は生殖器の感覚に関わっており、男性の勃起力、女性の膣の状態を左右する。
仙骨四番は腰の痛みや尿意に関係する。腰の冷えや頻尿はここを調整すると改善できる。
仙骨五番は肛門括約筋を支配する。
人間の骨の中で人工骨での代替不可能な骨が2つあるそうですが、その一つが「仙骨」で、もう一つが頭蓋骨にある「蝶形骨」だそうです。この二つの骨はバイブレート(微細に振動)する機能もあるようです。
人体の機能はミクロコスモスといわれていて、まだ不明なことも多いようですが、いずれにしても仙骨が不思議な骨であることは間違いないようですね。
参考資料:「骨盤でやせる」、「骨単」etc.